漢らしい撮影ブースの作成
さて、まずは材料だ。 ダンボールで問題無いだろう。 強度的にもイケるし、光源の熱が出ても長時間では無いので燃えるコトもあるまい。 いや、待て。 漢らしく作らなければならないんだった。 悩みながら歩いてると、家の納屋にコンパネをハケーン。 そう言えば親父が10枚ぐらい注文してたな。 どら「おい、親父。コンパネ1枚売ってくれ。」 親父「ん?1枚ぐらいやるぞ。」 どら「そっか、んじゃ貰う。」 親父「1枚だけ汚れてビス穴が開いてるボロボロの板があるから、 綺麗なヤツを選べよ。」 どら「分かった。」 そしてどらは、汚れてビス穴が開いてるボロボロの板を選んで作業にとりかかった。 漢らしく作るために。 |
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とりあえずコンパネの切り方を考える。 斜線部は捨てる事になるが、気にしない。 漢らしく作るために。 ついでにこの寸法だと設計ミスがあるのだが、それも気にしない。 漢らしく作るために。 |
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さて、どら親父は工具マニアで、何故か大工さんレベルの工具が揃ってる。 電動のノコ(丸い円盤ノコが回転するやつ)も家にあったりする。 使えばかなり綺麗な直線で切断する事が可能。 しかし、あえてノコギリで切る。 ノコギリの方が漢らしい。(か?) 疲れる。切断した線はぐにゃぐにゃ。しかし気にしない。 これが「漢らしい」かどうかはちょっと微妙だという事に気付いたのは、全部切ってからだった。 ※ちなみにホームセンターでコンパネ買うときは、頼めば図面通り 切ってくれる店もあります。 |
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ミスしてもバラし易い木ネジを使用するのが普通だが、あえて釘と金槌で組み上げる。 ご近所迷惑考えず、ガンガン叩く。 狙いを外して他のトコを叩き、若干板が凹むが漢らしく気にしない。 釘の方向がズレて、外へ(少し)突き抜けたが漢らしく気にしない。 切断面がぐにゃぐにゃで、隙間が見えるが漢らしく気にしない。 板厚分を考慮してなくて、突き出てる部分があるが漢らしく気にしない。 そんな感じで外枠っつーか、BOX完成。 天井は特に付ける必要も無いだろう。 光源(ランプ)が密封されてしまうので熱的に具合が悪いし。 |
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撮影ブースのポイントは光をプラモ(撮影対象物)に効果的に 当てる事だと言える。 光量が多くなくてはいけないが、集中的に当てるとテカった 写真になる。 そこで習字の半紙のような紙(ディフェーザー?)を間に配置して 光を「散らす」。 つまり撮影ブースに必要な光源は「強い光を広範囲にもやっと」が 基本コンセプトになるだろう。 市販の撮影ブースの大半は光源に「電球型蛍光灯」を使用している。 ←コレ 左側にあるのが取り付け用の器具。 ホームセンターで容易に手に入り、400円ぐらい。 これに電気配線をすれば良いのだが。それほど難しくはない。 豆電球と同じ理屈で、ただコンセントから出る線二本を繋ぐだけだ。 さて、果たしてコレで良いか? まず電球型は発光量は多いものの、サイズが小さい。 つまり光を収束してプラモを照らす必要がある。 市販の器具では内部に光を反射出来るようにした傘のような形状に電球型蛍光灯を入れている。 光源が小さいのではいくら光が強くても「広範囲にもやっと」が難しくなる。 しかも漢らしくない。(小さいから) |
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そんな理由で←コレを使う事にした。 ごく一般的な家庭に使われる蛍光灯器具のランプ。 「サークル管」と呼ばれる環形のランプだが、市場的に多いのは FHCタイプとFCLタイプ。 FCLランプは磁気式と電子式の安定器が使用出来るが、 FHCは電子式安定器でなければ使用出来ない。 FHCランプは電子式安定器を使用することを前提として開発された ランプで、発光効率が良く省エネになる。 ちなみに蛍光灯器具(スタンド含む)で『インバーター』と表示されて いるものは全て電子式安定器を使用している。 こんな無駄な知識を持つのも「漢らしい」と言えなくもないので 覚えておこう。 電気屋さんに行く事があれば、二つのランプの違いを見て欲しい。 FHCはFCLに比べて発光効率が良いので非常に明るく管も細い。 ちょっと明る過ぎて困るぐらいだ。 「お願い、電気消して」とか言われるのは間違いないが、 別の話題になるのでやめよう(*´д`*) もちろんどらは「漢らしく」FHCを選ぶ。 この大きなランプ(直径約40センチ)なら 「強い光を広範囲にもやっと」 が可能だと思うが、どうだろう。 「安定器ってなんだ?」と思う人もいるだろう。 蛍光灯は豆電球のように繋いでも点灯出来ない。 必ず「蛍光灯安定器」が必要になる。 「電球型蛍光灯には無いが?」と思われるかもしれないが、根元の樹脂(プラ)材の中に非常に小形な蛍光灯安定器がちゃんと入ってる。 画像のランプの前に置いている基板は、この「蛍光灯安定器」だ。 家庭用の器具には必ず中にこの基板が入っている。 ちょっと微妙な感じで手に入れた。 漢らしく言うならば、「拾った」という事になる。 うん、拾った。 |
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上の光源一式を←の通りにセッティングする。 画面左側のランプが34Wクラス、画面右側のランプが27Wクラス。 家庭の8畳間クラスの光源がプラモを直撃する。 あまりにもオーバースペック。 なんて漢らしい。 しかしこれではランプの光が直撃するのでテカるのは間違いない。 間にディフェーザーを付ける事を考える。 何故か「ドンゴロ君」が友情出演してるが気にするな。 |
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100均でPPマットの半透明を手に入れる。 ランプの前に配置。 ところが、家に帰ってから気付いたのだが、PPマットが 若干ピンク色。 かなり薄いピンクだからイケルかもしれないが。。。 漢らしい撮影ブース から、やや離れた悪寒。 |
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部屋を暗くして点灯させてみる。 何か妖しい雰囲気になる撮影ブース。 でも、中央部は「白色」で、特別問題無さそうだ。 使用したランプが「昼白色」だし、赤の波長が若干増えたトコで 問題は無いのかもしれない。 ランプの「色」は3種類あるんだが、専門的な話になるんで あんまり説明はしない。 電気屋さんで比較の為に、ランプを点灯させてる事がある。 照らされたブツの色あいがどうなるか確認してみよう。 |
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ってな感じで完成した、やや漢らしい撮影ブース。 その効果を確認するべく、プラモを撮影してみる。 ←こんな感じ。 ・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・いいんじゃない? あれぇ? 失敗する予定だったんだが・・・・。 「失敗したが、漢らしく気にしないのだ!ウワァァ━。゜(゜´Д`゜)゜。━ン!!!! 」 ってのがどらの「落ち」だったんだけど。 画像は100%加工してないけど、色相良し。(実際のブツに近い) 半光沢仕上げだが、特別テカっても無いし。 詳細までよく写ってる。粗までしっかり。(←あ、「落ち」みっけ) と、とりあえず成功って事で。 毎回セッティングしないでも同じ撮影環境が得られるってのが最大の利点。 電気的な知識のある方は、試してみては?(笑) |